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コラム

炎上リスクを最小限に!海外SNS戦略の失敗から学ぶリスク管理と対策

Apr 16, 2024
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SNSは企業にとって強力なマーケティングツールですが、一歩間違えれば炎上につながるリスクもはらんでいます。特に海外向けSNSでは文化や習慣の違いが原因で、意図しない炎上を引き起こすことも少なくありません。

本記事では、具体的な炎上事例を振り返りながら、海外SNSでの炎上を未然に防ぐためのポイントや、実際に炎上した場合の対処方法などをご紹介します。

あの有名企業も?海外SNSで大炎上した企業4選

過去に海外SNSで大炎上してしまった4つの事例を紹介します。それぞれの事例から、海外SNS運用における注意点や炎上のリスクについて学びましょう。

事例1:バービー公式アカウント、原爆モチーフのファンアートに好意的反応で炎上

世界興行収入13億8000万ドル(約2020億円)を記録し、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を抜いて、2023年最もヒットした映画となった『バービー』。
その『バービー』のアメリカ公式アカウントが、原爆をモチーフにしたファンアートに好意的な反応を示し、物議を醸しました。

このファンアートは、アメリカで同時公開された映画『オッペンハイマー』と『バービー』を組み合わせたもので、バービーと原爆のきのこ雲を合成した画像がX(旧Twitter)に多数投稿されました。

問題となったのは、映画『バービー』の海外公式「X(Twitter)」アカウントが、これらの投稿に対して「いいね」や「忘れられない夏になりそう」といったコメントを付けたことです。

この行為に対し、日本では「原爆投下を軽視している」「歴史の悲劇を娯楽として消費している」といった批判が殺到しました。

参考:Barbie movie: Warner Bros sorry for replying to atomic bomb memes(BBC)


事例2:バーガーキング、イースター広告で不謹慎表現を用いて炎上

米フロリダ州発の大手ハンバーガーチェーン『バーガーキング』は、2022年イースター(復活祭)前の聖週間に、イエス・キリストの最後の晩餐での言葉を商品宣伝に使用しスペインで展開したことで、スペインのカトリック信者から激しい批判を受けました。

問題となったのは、肉を使わないハンバーガー「ビッグキング・ベジタル」の広告です。広告では、イエスが最後の晩餐で語った「取って食べなさい。これはわたしの体である」という言葉をパロディ化し、「これは肉が使われていない」と続けました。

スペインの人口の約60%がカトリック信者であるため、この広告は大きな反発を招きました。多くの信者たちは、イエスの言葉を軽視し、宗教感情を傷つける行為だと非難しました。

参考:バーガーキング、広告でイエスの言葉をパロディー化 非難受け謝罪(CHRISTIAN TODAY)


事例3:バレンシアガ、ホリデーキャンペーンで児童虐待批判を受け謝罪

スペインを代表するファッションブランド「バレンシアガ」は2023年11月23日、ホリデーキャンペーンビジュアルが児童虐待を助長しているとして批判を受け、公式Instagramで謝罪文を発表しました。

問題となったビジュアルには、首輪や手首の拘束具を装着したテディベア型のハンドバッグを持つ幼児が写っていました。このバッグは、2023年春夏コレクションで成人モデルが手にしていたものですが、幼児が持つことで児童性的消費や虐待を想起させるとして、SNS上で物議を醸していました。

さらに、別のビジュアルでは児童ポルノに関する裁判資料が写っていたことも指摘され、大きく炎上しました。

参考:「バレンシアガ」、“児童虐待”と批判されたキャンペーンを取り下げて謝罪(WWD JAPAN)


事例4:ドルチェ&ガッバーナ、中国で大炎上しファッションショーが中止に

イタリアのファッションブランド「D&G」(ドルチェ&ガッバーナ)は2018年、中国で大炎上を起こし、上海で開催予定だったファッションショーを中止する事態にまで陥りました。

炎上のきっかけは、D&Gが公式Instagramで公開した動画です。動画では、中国人女性とおぼしき人物がお箸でピザを食べる様子がコミカルに表現されていました。この動画が「中国文化への侮辱」 として、多くの中国人から批判を浴びました。

さらにその後、D&Gのデザイナーが、Instagramのメッセージ機能を使って、中国を揶揄するような発言をしたことが発覚し、中国国内で怒りの声が爆発。ショー出演者たちが次々とボイコットを表明し、D&Gはファッションショー中止に追い込まれました。

参考:Everything you need to know about WTF is happening with Dolce & Gabbana right now(FASHION JOURNAL)


炎上リスクを最小限にする3つのポイント

海外のSNSを利用する際には、炎上を防ぐためにいくつかの重要なポイントがあります。ここでは、特に重要な3つのポイントについて解説します。

1.文化や習慣の違いを理解する

海外進出において、文化や習慣の違いを理解することは非常に重要です。例えば、日本では問題ない表現でも、別の国では不快感を与えたり、誤解を招いたりすることがあります。

そのため、ターゲットとする国や地域の文化や習慣、価値観などを深く理解し、尊重する姿勢が必要です。

具体的には、下記のようなポイントに注意しましょう。

・宗教や政治
宗教や政治は、人によって非常に敏感な話題です。これらの話題に触れる場合は、慎重な表現を心掛けましょう。

・表現方法
日本語ではユーモアや皮肉として伝わる表現も、他の言語では誤解される可能性があります。

・ジェンダー
ジェンダーに関する意識は、国によって大きく異なります。性差別的な表現は避けましょう。


2.言語の壁を乗り越える

直訳しただけのコンテンツは、言葉のニュアンスの違いから誤解を生むことがあります。そのため、単に言葉を翻訳するのではなく、その言語を母国語とする人々の感覚に合わせた表現を心がけることが大切です。

翻訳ツールは必ずしも正確ではないため、翻訳後に必ずネイティブスピーカーに確認してもらうと良いでしょう。また、誤解を招きやすい表現は避け、シンプルな言葉で丁寧に書くことも重要です。

言語の壁を乗り越えることで、より正確な情報伝達が可能になり、炎上リスクを軽減できます。


3.投稿内容を事前に複数人で確認する

炎上を防ぐためには、投稿内容を事前に複数人で確認することも重要です。

・投稿内容がその国のことばで適切に伝えられているか
・各国の文化や習慣に反していないか
・誤解を招きやすい表現や差別的な表現が含まれていないか

などをネイティブスピーカーを含む複数人でチェックすることで、炎上リスクを低減できます。


海外SNSで炎上したら…企業が取るべき4つのステップ

炎上は企業にとって大きな危機であり、迅速かつ適切な対応が求められます。ここでは、炎上後の4つの重要なステップと、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

【ステップ1】状況を把握し、原因を分析する

炎上発生時の初動対応は、その後の展開を大きく左右する重要な要素です。

まずは状況を正確に把握し、原因を分析しましょう。炎上を引き起こした投稿の内容、批判的な反応を示しているユーザー層や地域、拡散の状況などを詳細に分析します。

単に批判されている内容だけでなく、その背景にある潜在的な問題意識や社会的なニーズなどを分析します。表面的な対応では再発を防ぐことはできないため、根本原因を特定することが重要です。


【ステップ2】迅速かつ誠意をもって謝罪する

状況の把握と分析が終わったら、迅速かつ誠意をもって謝罪を行います。

公式な声明を通じて、問題となった行為や発言を明確にし、そのために感じた遺憾の意を表明します。単に形式的な謝罪ではなく、問題の重大性を理解し、真摯に反省する態度を示すことが不可欠です。

また、被害を受けた人々に対する敬意と理解を示し、企業としての誠実さをアピールすることが信頼回復の鍵となります。


【ステップ3】再発防止策を講じる

単に謝罪するだけでなく、再発防止策を策定し、実行に移すことが重要です。

社内の監視体制の強化、従業員への継続的な教育プログラムの実施、コンテンツの事前チェックプロセスの見直しなどの再発防止策を行いましょう。

信頼回復に向けた具体的な行動を行うことで、企業の「同じ過ちを繰り返さない」という強い意志を外部に示すことができます。


【ステップ4】情報発信を継続し、信頼回復を目指す

炎上後の対応は、謝罪と再発防止策の実行で終わりではありません。

再発防止策の進捗報告や、新たな取り組み、企業の価値やビジョンに関する情報を積極的に発信しましょう。

これらの取り組みを通じて、企業が問題に真摯に向き合っていることを示し、関係者との信頼関係を再構築していくことが重要です。


まとめ

海外SNSは、世界中の人々と繋がりを持つことができ、新たな顧客の開拓やブランド認知度を高める絶好の機会を提供するものです。

それと同時に、一歩間違えれば企業イメージを毀損し莫大な損失を被る可能性がある、という落とし穴が潜んでいます。

本記事で解説した炎上事例や対策のポイントを参考に、海外向けSNSを安全に活用しましょう。

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