BACK TO TOP
コラム

海外と日本では色のイメージが違う!文化による色彩の意味と使い方

Feb 15, 2024
SHARE

海外向けの映像では、どのような色を使用するかによって観る人に与えるイメージが大きく変わります。

色は単なる視覚的な美しさだけでなく、観た人の感情や深層心理に直接働きかける力を持っています。
そのため、伝えたいイメージや目的に合った色を選択することで、視聴者の心に響く、よりインパクトのある映像に仕上げられるでしょう。

本記事では、国や地域によって異なる色の感じ方と、映像制作においてそれぞれの色がもたらす意味について詳しく解説します。
日本との違いも解説するため、海外に向けたマーケティングを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

国によって色の感じ方が違う

色の見え方や感じ方は、住む国や慣れ親しんだ文化によって大きく異なります。

具体的にいうと、虹の色は日本や韓国では7色ですが、アメリカやイギリスでは6色、中国では5色、南アジアでは2色だといいます。
これは国の位置によって太陽の光の角度が違ったり、人によって目のメラニン色素の数が違ったりすることによる違いと言われています。

さらに色に対するとらえ方も多種多様で、ある色がひとつの文化では幸福や繁栄を象徴する一方で、ほかの文化では悲しみや不幸を連想させることもあります。
こういった解釈の違いは、文化の違いや歴史的な経験に根ざしているため、時と場合によって自身が想像していたものとは異なる印象になってしまうこともあるため注意しましょう。

海外で映像デザイン制作を行う際には、ターゲットとなる国や文化圏の人々が持つ色彩に対する感覚や意味をきちんと理解することが重要です。



クリエイティブで使う色の選び方

色は単に視覚的な彩りを加えること以上に、観る人に意図的に印象を与えたりメッセージを伝えたりできます。
ここでは、赤、青、黄、緑、紫、白、黒、ピンク、オレンジという9つの色が異なる文化においてどのように受け取られるかを解説します。
各国において色がもつ意味合いを知り、どのようにデザインに活用できるか理解することで、国や文化に沿った映像が作れるでしょう。


日本では、赤色は情熱や愛情、お祝い事の象徴として捉えられます。
紅白といわれるように、めでたい場面で使用されることが多く、ポジティブなイメージが強いです。

欧米でも、愛情や情熱といった意味をもっています。
しかしそれだけでなく、警告や危険の象徴として用いられることも多く、交通信号の赤灯などに見られるように、注意を促す色としての意味合いが強いです。

中国では、日本と同じように縁起の良い色として広く認識されています。
新年のお祝いや結婚式など、幸運や祝福の場において赤色が用いられることが一般的です。
国旗にも入っている色なので、中国といえば赤というイメージも強いかもしれません。

韓国では、同じく情熱や幸福を象徴する一方で、呪術において邪気を追い払う力があるとも考えられています。
韓国には、古くから人々の価値観をあらわす五方色という考え方があり、赤はそのなかでも太陽のように燃え、躍動感のある印象が強いです。


日本では、青色はクールで冷静、知的な印象を与える色です。
信頼や安定のイメージが強く、金融やビジネス、教育関連のデザインによく使用されます。
また、清潔感や爽やかさを表す色としても認識されています。

欧米でも、青色は日本と同じく信頼や安定の象徴です。
しかしセクシーな意味も持ち合わせていて、性的な映画が「ブルーフィルム」と呼ばれることもあります。
ファッションやライフスタイル関連のデザインで活用されることが多いです。

韓国では、青色は空や海のような自然のエネルギーを感じさせ、非常に人気のある色です。政党やメガバンクのイメージカラーに使われることが多いですが、それだけでなく、リフレッシュや癒しの感覚を表す色としてさまざまなデザイン分野で好まれています。


日本において、黄色は活発さやパワフルさを象徴する色として広く認識されています。
明るく元気な印象を与えるため、子ども向けの商品やカジュアルなデザインに用いられることが多いでしょう。

欧米では、基本的には日本と同じく活発で楽しい色として捉えられますが、裏切りや臆病さを象徴する色という側面もあります。
そのため、日本と同じような感覚で黄色を使用することは避けたほうがよいでしょう。

中国では、黄色は幸運や高貴さを象徴する色として非常に有名で、伝統的にも高い地位や豊かさを示す色とされています。
またセクシーさを表す色としての側面も持っていて、中国の繁華街などで多用されている色味です。

韓国では、黄色は尊さや神聖さを象徴する色とされています。
五方色のなかで中心に位置しており、その昔、皇帝だけが着用できた色として、特別な地位や中心性を意味するようです。


日本では、緑色は落ち着きや余裕、豊かさを感じさせる色です。
自然の生い茂る風景を思い起こさせ、安らぎや癒しを与える印象が強いでしょう。
自然との調和を大切にする日本の文化から、このような落ち着いた印象が生まれたと考えられます。

欧米でもまた、自然や成長を象徴しますが、未熟さや不気味さ、毒といったネガティブなイメージを持つこともあるようです。
特にアメリカの映画や文学では、緑色は不吉な象徴として使われることがあります。

中国では、緑色は不貞や不道徳を象徴する色として使われます。
これはかつて王朝一族の売春婦たちが、緑色の帽子をかぶることが強制されていたからです。
中国では緑色を使用することで誤解を招く可能性があるので、注意するようにしましょう。




日本では、紫色はエレガントで高貴、上品な印象を持ちます。
かつては貴族が好んで使う色だったため、現在でもラグジュアリーなブランドや空間を演出するために使われることが多いです。
また和文化においては、伝統的な美しさや深みを表現する色としても使われます。

その一方で海外、特に欧米の文化圏では、紫色が負のイメージを持つこともあります。
葬儀や喪に関連する色として使われることもあるためで、映像デザインに使用する際にはこの点を考慮する必要があるでしょう。
しかし同時に、創造性や神秘性を象徴する色としても捉えられています。

中国では、紫色も黄色と同じように高貴で神聖なイメージです。
これは、紫色がかつて中国の皇族が使用する色だったという歴史から来ています。

またロマンチックな印象を与える色として、現代のファッションやデザインにも取り入れられることが多いです。


日本では、白色は清潔感、神聖さの象徴です。
ウェディングドレスなど、新しい始まりや純潔を象徴する場面でよく使用されます。
また和食の盛り付けでは、白色の食器が食材の色を引き立てるために使われることが多々あるようです。

欧米でも同様に、白色は平和や無垢を意味しますが、白旗を振ることが降伏のシンボルとして知られているため、降参や敗北のイメージも持っています。

中国における白色は、日本や欧米と異なり、葬式で使われることが多く死や不吉を連想させる色です。
そのため映像デザインにおいての使い方によっては、ネガティブな印象を与える可能性もあるでしょう。


日本では、黒は格式のある色として認識され、場に締まりを与えます。
そのため責任感や威厳を象徴し、ビジネスシーンでのフォーマルな服装やデザインに使われることが多いです。
また喪服としてのイメージが非常に強く、人の死や哀悼の感情を想起させる色でもあります。

欧米では、黒色は葬儀で使われる色であるのと同時に、ラグジュアリーな高級感や優雅さを象徴する色です。
ファッションではシャネルの「リトル・ブラック・ドレス」など、シックで洗練されたアイテムが多数あります。

中国では、日本や欧米ほど葬儀の色としてのイメージは強くありません。
その代わりに、闇社会や裏社会の象徴として見られることがあるため、使用する際には注意が必要です。


ピンク

日本では、ピンクは可愛らしさや愛らしさを象徴する色として広く認識されています。
このイメージは「カワイイ文化」に深く根ざしており、実際ピンクは可愛らしいファッションやデザイン、ポップカルチャーに多く見られるでしょう。
その一方で、性的な意味合いで使われることもあります。

欧米では、ピンクは赤ちゃんの肌の色と関連付けられ、若さや健康を象徴する色として捉えられています。
また女性らしさや愛らしさの表現としても一般的で、ファッションや美容業界でも好まれる色です。

韓国では、近年特にピンクが人気で、パステルカラーがさまざまなシーンで使用されています。
水色や淡い黄色などのやわらかい色と並んで、K-POPのミュージックビデオや青春を感じさせるデザインによく用いられます。
若者文化に深く浸透しており、ポジティブで明るいイメージを持つ色です。


オレンジ

日本では、オレンジは親しみやすさや暖かさを感じさせる色として広く認識されており、エネルギッシュな色として食品やインテリア、ファッションなど幅広い分野で用いられます。

欧米でも同様のイメージが強いですが、オレンジはハロウィンや収穫を象徴する感謝祭などの秋のイベントにおいて、使用されることが多いです。
また実りの豊かさや暖かさを表現する色として、食品のパッケージングやデザインにもよく使われます。


国によって好まれるデザインも異なる

ここまで解説してきたように、色の感じ方は、国ごとの歴史や文化的な背景によって大きく影響されます。

ここからは中国やアメリカ、ヨーロッパで好まれる色やデザインを見ていきましょう。

中国

中国の映像デザインでは、文化的に良いイメージを持つ赤や黄色がよく使われます。
こういった暖色系の色は、中国において力強さや活気を象徴していて、特に赤は縁起が良いとされるため、お祝いの場面や正月の装飾などで人気です。

またエネルギッシュな雰囲気を表現することができるため、カンフー映画でも、意識的に赤や黄色を使って派手な印象を与えることが多いです。

高貴さや神秘性を象徴する紫色も、よく使用されます。
中国向けの映画やCMでは、紫色を用いることで特別な雰囲気を演出できるでしょう。


アメリカ

アメリカにおいて好まれるデザインは比較的はっきりとしていて、三原色(赤・青・黄)を使ったものが非常に多いです、
アメリカの食品パッケージや広告など、さまざまな場面で目にしたことがあるのではないでしょうか。

そのなかでも赤色はアメリカで注意を引きたいときに用いられることが多いです。
また情熱やエネルギーを表す色としても使われ、映像広告では商品やサービスの力強いアピールに使われます。

また三原色とは別に、緑ですが、不気味な雰囲気や自然の象徴として緑色が使われることがあります。
例えば映画やテレビ番組、CMでは、緑色はミステリアスな雰囲気や不穏なシーンを表現するのに使われることが多いです。
またオーガニックや環境保全を意識した製品やブランドは、自然との調和を象徴する色として意識的に緑を選ぶでしょう。

さらにアメリカでは、ハロウィンやサンクスギビングデーなどのイベントでオレンジが用いられます。
オレンジは豊かな収穫を象徴し、暖かく心地よい感覚を与えるため、食品パッケージやイベントの装飾によく使われ、温かみのある親しみやすい雰囲気を作り出すことが可能です。


ヨーロッパ

一般的にヨーロッパでは、暖色系のオレンジ、緑色やオーガニックな色味が好まれます。
オレンジや緑は、オランダやクロアチアなどの街並みをイメージするとわかりやすいかもしれません。
暖色系の色は、温かみや自然を感じさせるため、インテリアデザインやファッション、広告などでよく使用されます。

またベージュや茶色などオーガニックな色は、自然や環境に対する意識の高さをイメージづけるために使用されることが多いです。

一方で、ヨーロッパのなかでも北欧の地域では暖色系の色はあまり好まれません。
日照率が低い地域ほど、色みを抑えた寒色系の色が好まれるといわれています。
例えば北欧のフィンランドでは、緑色や薄い茶色、青や灰色など、寒色寄りの色が使われることが多いです。

またフランス映画は、一般的に映像が暗めで、彩度の低い色合いが特徴的だといわれています。
こういった暗めの色使いは、フランス映画の単調で抑揚のない展開と結びついていて、芸術性の高さや想像の余白を感じさせるでしょう。


さいごに

映像制作において、国によって好まれる色やデザインは異なり、使う色によって映像が与えるイメージが大きく変わってきます。
そのため映像で使う色の選択は、マーケティングをしていく上で非常に重要な役割を果たしているのです。

国ごとに色がもたらす印象を理解して、海外でのマーケティングに役立ててみてくださいね。

Most Popular

実績 1,000社以上、
まずはお気軽にご相談ください

お役立ちサービス資料を
公開しています

サービスの
お問い合わせ・ご相談はこちら