建設業界の人手不足で悩んでいる…外国人雇用の現状や注意点について

建設業では人手不足の課題が生じています。その原因は様々ですが、外国人労働者の雇用を中心とした解決方法が主になるでしょう。

こちらの記事では、建設業の人手不足と外国人労働者の雇用を中心とした解決策についてご紹介します。

建設業の人手不足の現状

画像引用：建設業を巡る状況と課題 | 国土交通省

国土交通省の実施した「建設業を巡る状況と課題」内の調査結果では、建設業の労働者が減少傾向であることが明らかになっています。

最も多かった平成9年はおよそ68万5千人であった一方、現在は47万9千人まで減っているのです。このことから、建設業の労働力不足の課題は深刻化していると言えるでしょう。

また、現状の減少傾向から、今後も建設業の労働者人口は今後も減っていくと考えられます。
そのため、原因を踏まえて適切な対策を講じる必要があります。

建設業の人手不足の原因

建設業の人手不足の原因にはいくつかの理由が挙げられます。以降で特に大きな3つの原因を紹介していきます。

1. 若者の不足

近年は高齢化が進んでいるだけでなく、出産率も低下しています。それに伴い、新規に就業する若者が減ってしまっているのです。

2. 高齢化に伴う退職者数の増加

日本建設業連合会の調査によって、建設業の高齢化が進んでいることが明らかになっています。

2022年時点で55歳以上がおよそ36%と非常に高くなっています。その結果、退職する労働者も増えているのです。

3. 労働環境

建設業は他の仕事に比べて環境がハードであることも問題になります。一例として、以下のような問題が挙げられるでしょう。

・ケガをするリスクが高い
・休日が少ない、仕事の時間が長い
・人材が育ちにくい

建設業の仕事は肉体労働な上、労災の発生する可能性が高い傾向にあります。そのリスクを理由に避けられてしまうことも少なくはありません。

また、工期の都合などもあり、他の仕事に比べて平均労働時間が長く、かつ休暇も少ないです。

それ以外にも、高齢化や若者不足に伴い技術の引き継ぎが難しいという問題もあります。

建設業の人手不足の改善策

建設業界の人手不足を解決するためには対策を講じなければいけません。そこで、こちらの記事では2つの改善策を紹介していきます。

労働環境の改善

まず労働環境の見直しをすることが重要です。

・業務効率化、自動化の推進
・働き方改革
・技術継承方法の取り決め

近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改善が国レベルで進められています。そのため、国や都道府県の支援制度を活用して現場の課題を解決すると良いでしょう。

人材の職場への定着率向上による労働力の担保が可能です。

外国人労働者の雇用

外国人労働者を雇用するのも1つの手段になります。技能実習などの日本で働くことができる資格を持った外国人が増えています。

その中には若い人材も多いため、若者不足の解決が見込まれるでしょう。

建設業界における外国人労働者の雇用の現状

画像引用：建設分野における外国人材の受入れ | 国土交通省

近年、建設業界での外国人労働者の雇用は増加傾向にあります。

国土交通省の調査結果では2022年時点でおよそ11万人もの外国人が建設業に従事していると明らかになっています。

また、外国人労働者の支援機関なども増えていることから、今後も日本で働きたい外国人の若者は増えていくことでしょう。

そのような若者を雇用して働いてもらうことは、非常に効果的な労働力不足の解決策と言えます。

建設業界で外国人労働者を雇用する際の注意点

建設業で外国人労働者を雇用する際は、いくつか守らなければいけない注意点があります。

ここでは、4つの注意点を紹介していきます。

1. コミュニケーションの壁

外国人労働者の中には、日本語を十分に理解できない人もいます。

そのため、日本人の労働者とうまくコミュニケーションが取れなかったり、仕事の習熟が遅れることも少なくはありません。

そのため、外国語のマニュアルの準備や、外国人労働者が日本語を学習する機会を設ける必要があります。

2. 技能実習生の滞在期間は限られている

技能実習の資格で来日している外国人の滞在可能期間は最大5年に限られています。

在日期間を延長するためには、試験の通過などの条件を満たさなければいけません。

この条件をクリアしなければ一時的な労働力不足の解決にしかならない場合もあるため注意が必要です。

3. 正しい手続きを行う必要がある

外国人労働者を雇用する際は、滞在資格の種類によっては手続きが必要です。

もし必要な手続きを行わずに雇用をした場合、異法となり罰金を支払わなくてはいけません。

そのため、正しい手続きを行った上で外国人労働者を雇うようにしてください。また、行政書士などの専門家に代行をしてもらうのも1つの手段です。

4. 外国人向けの求人対策が必須

外国人労働者を雇用するためには、関心を持ってもらえるようなアピール方法で求人を行なう必要があります。

日本人と外国人では好感を抱く宣伝方法や内容は異なっています。また、外国人労働者でも理解できる言語で求人募集を作成しなければいけません。

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まとめ

建設業では労働者の高齢化や若手不足に伴う労働力不足が課題となっています。解決策としては、外国人労働者の雇用が有効と言えるでしょう。

ただし、外国人労働者を雇用する際は働きやすい環境作りや正しい手続きを行なわなければいけません。加えて、自社に関心を持ってもらえるような求人動画やパンフレットの作成が必要です。

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