ランコムが日本で成功した理由とは？戸田恵梨香さんが語るランコムの魅力

ランコムの歴史

ランコムは、1935年にアルマン・プティジャンによってフランスで創設された化粧品ブランドです。

調香師である彼は、フランスのエレガンスさと美を世界に広めることを目指し、5つの香水を筆頭にランコムを立ち上げました。

そして現在、130ヶ国以上で事業を展開しており、スキンケア、メイクアップ、フレグランスの各分野で革新的な製品を生み出し続けています。

その中でも『Advanced Génifique（アドバンスト ジェニフィック）』は、2004年に発表されて以来、今でもベストセラーとなっている美容液です。

ランコムの歴史は、常に美と革新を追求し、世界中の女性にフランスのエレガンスを届ける努力の歴史でもあるのです。

ランコムのブランド戦略

世界中で愛される化粧品ブランドとして、ランコムの成功の背後には、以下のようなブランド戦略があります。

●高級感とエレガンスさの追及
●先進的な製品開発
●地域ごとの市場戦略

ランコムは、フランスのラグジュアリーさをブランドの中心に据えており、高品質でエレガントなイメージを位置づけ、高級化粧品市場での地位を確立しています。

また、各地域の市場特性や、消費者の嗜好に合わせた製品展開とマーケティングをおこなっている点も成功の要因です。

多種多様な人種が混在するアメリカにおいては、肌の色は個性の一部でしかないという考えがある一方で、日本人女性は肌の白さへのこだわりが強い傾向があります。

このため、日本ではシミやくすみの改善に特化した製品の需要が高いとされているのです。

さらに、ヨーロッパではクリームが好まれますが、日本のように湿気の多い国ではさっぱりしたローションなどを中心に展開するなどの工夫がされています。

このほか、日本はエイジングケア製品の需要も高く、これらのカテゴリーに注力しながら日本人の肌に合わせた製品開発をおこなっているのです。

日本市場への進出

ランコムは、1978年に日本市場への進出に乗り出しています。

当時ランコムは、日本市場での地位を確立するために、百貨店のデータ収集を重ね、伊勢丹や阪急百貨店など、影響力の高い店舗を徹底的に攻略しました。

日本市場は、化粧品売上の約25％を百貨店が占めるため、主要店舗での成功が市場全体に波及しやすい特性があると考えたのです。

その結果、1999年には新宿伊勢丹がランコムの売り場を1.5倍に拡大し、他の百貨店でも売り場の大型化が進みました。

ランコムはその間に、日本人女性による“目元で遊びたい”といった思考に着目し『エクステンシル』を開発しています。

そしてこのマスカラのヒットが、ランコムの地位を不動のものとしたのです。

ランコムミューズの存在

ランコムは、グローバルおよびローカルで影響力のある人物をブランドアンバサダーとして起用する戦略を取っています。

ブランドアンバサダーは、ブランドの顔としてさまざまなプロモーション活動をおこない、ブランドのイメージや価値を広くアピールする役割を担います。

ランコムの初代ミューズは、イタリア系アメリカ人の女優イザベラ・ロッセリーニです。

彼女は1982年にランコムの顔となり、その後14年間にわたりブランドのイメージを象徴する存在でした。

ロッセリーニはランコムの広告塔として重要な役割を果たし、ランコムの魅力を世界中に広めました。

日本初のランコムミューズに戸田恵梨香さん就任

2018年、日本人初となるランコム ミューズに戸田恵梨香さんが就任しました。

可憐なルックスとは裏腹に、コメディからシリアスまで幅広い演技で魅了し続ける戸田恵梨香さん。

30代を目前に、女優としても自立した女性としても輝く姿が、ランコムミューズにふさわしいとされたのです。

日本市場では女優の戸田恵梨香さんを起用することで、ブランド認知度の強化や、広範なターゲット層へのアピールを図っています。

ランコムは外資系ブランドでありながら、各国の女性をアンバサダーに置くことで、信頼性や馴染みやすさを強調しているのです。

魅力的な動画でのPR

戸田恵梨香さんは、日本人ミューズとして就任後、雑誌・動画でのインタビューやテレビCMなど、広告塔としてさまざまな活動をおこなっています。

アメリカでは、女優や歌手として活躍しているアマンダ・サイフリッドがアンバサダーとして活躍しています。彼女もまた、女優やモデル活動を通じて評価されている人物です。

日本のCMは、消費者に親しまれるようなストーリーやユーモアを取り入れた形式のものが多い傾向があります。

しかしランコムのCMは、世界各国共通して、女性の上品さや力強さを表現しています。

ランコムのターゲット層は30代以上の女性であることから、芯のある自立した女性を強調し、ラグジュアリーな生活感を目指す女性に視点を当てているのです。

弊社が制作したランコムのPR動画

弊社では、ランコムの日本人ミューズとして就任した戸田恵梨香さんへのインタビュー動画を制作しています。

このなかで戸田恵梨香さんは「自分を認めてあげること。他者のことは気にしない。自分がやりたいことはこうなんだと信じてまっすぐに突き進んでほしいなと思います」と語っています。

自律性と芯の強さを思わせるこの言葉からも、ランコムのターゲット層である30代以降の女性の理想像であることが印象付けられます。

まとめ

ランコムが日本市場で成功を収めた要因として、これらが考えられます。

●外資系ブランドでありながら、日本人女性のニーズや肌質に沿った商品を提供してきた
●有名百貨店において、競合他社よりも魅力的な売り場の確保に成功を収めた
●著名な女優をミューズに置き、信頼感を強調した
●日本人のために作られた外資系ブランドというイメージを作り出した

ランコム＝海外のブランドといった印象を持つ方々に対しても、日本人初となる戸田恵梨香さんのミューズ就任は、製品への興味や親しみを与えるきっかけといえるでしょう。

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